優秀な従業員を表彰したら退職届が!このようなことが何故起こってしまうのか?
現在の職場がどの欲求段階にあるか?の現状認識が大切!
人間の成長も職場環境での欲求も顧客の欲求も
マズローの「人間の基本的欲求」に照らして考えると納得
がいきます。
マズロー博士の欲求の五段階説をきちんと理解して
「人が辞めない仕組みづくり」を考察する。
人間には五段階の欲求階層があり、
「一つ下の欲求が満たされると次の欲求を満たそうとして、
絶えず自己実現に向かって成長する」
とした仮説をもとに作られた理論です。
大切な従業員が辞めない組織、チームにするためには必須条件
として「人間が本来持っている欲求」を知ることです。
マズロー博士とは
アブラハム・ハロルド・マズロー
(Abraham Harold Maslow, 1908年4月1日 - 1970年6月8日)は、
アメリカ合衆国の心理学者。
ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれる。
彼は人間性心理学の最も重要な生みの親と言われている。
これは精神病理の理解を目的とする精神分析と、
人間と動物を区別しない行動主義心理学の間の、
いわゆる「第三の勢力」として、心の健康についての
心理学を目指すもので、人間の自己実現を研究するものである。
彼は特に人間の欲求の階層(マズローの欲求のピラミッド)を
主張した事でよく知られている
「出展:アブラハム・マズローWikipedia」より
マズロー博士の欲求の五段階説
第1段階 生理的欲求(生物的欲求)
第2段階 安全欲求(安心安全欲求)
第3段階 社会的欲求(所属と愛の欲求)
第4段階 承認欲求(自我欲求)
第5段階 自己実現欲求(自己完成欲求)
第1段階から第5段階の欲求は、低いものから順番に現れ、
その欲求がある程度満たされると次の欲求が現れる。
一、生理的欲求(生物的欲求)
もっとも基本的で強い本能的欲求である。
酸素、食物、飲料、排泄、性、睡眠などの生命維持に
関わる欲求!
生まれたばかりの動物の赤ちゃんであっても、
目が見えない状態でもおかあさんのおっぱいを吸うのである。
・腹がへった(食欲)
・眠い(睡眠欲)
・異性と関係を持ちたい(性欲)
・生命を維持するために最低限の住まいが欲しい
職場での生理的欲求
生理的欲求としては、「生活を維持できる給料や生存を
脅かされない労働環境」の確保という欲求です。
戦後まもなくの食糧難の時代は、安全欲求よりも
全ての動物が持っている本能的欲求である「食べて・飲んで」
空腹を満たしたい「生理的欲求(生物的欲求)」という欲求が
第一優先であった。不衛生な環境でもまずは空腹を満たしたい
ということで屋台が大繁盛した時代でした。
働く目的が、明日食べる食料を得るため、生活のため、
お金のためというわかりやすいモティベーションだけで
働く時代であった。
二、安全欲求(安心安全欲求)
身の安全、身分の安定、世の中の安定、恐怖や混乱のない
状態への欲求!
人間は、本来、この安全欲求をもっているので、秩
序が崩れたり、世の中が急に変化したり、家庭が崩れ
たりすることを好まない。
安全な環境、経済的な安定、健康状態の維持などの
欲求です。
職場での安全欲求
安全欲求は、「暖かく迎え入れてくれる職場環境、適
正な労働条件、雇用に保証、病気などに対する保険」
などの確保という欲求です。
戦後から数年経ち食糧難が解消されると安全な食材を使用し、
手ごろで、早くて、美味しくて、身体にとって安心安全な料理の
提供が求められるようになってきた。蕎麦屋の全盛時代の到来である。
三、社会的欲求(所属と愛の欲求)
人は、誰でも、人から愛されたい、愛したいという
欲求を持っている。
人は、孤独や追放された状態を避けたい、何らかの
形で社会の一員、家族の一員、組織の一員に加わり
たい周囲から愛情深く暖かく迎えられたいと思う
「所属と愛の欲求です。
職場での社会的欲求(所属と愛の欲求)
社会的欲求(所属と愛の欲求)は、職場での
人間関係の中で、共に仲間と親しくなりたい、
良好な関係を持ちたい、その様な集団に所属したい、
組織に仲間として受け入れてほしい、
相談できる上司や同僚がいてほしい、
信頼できる経営者でいてほしい等の欲求です。
家族での食事や職場同僚との食事、
気の合う仲間と楽しく食事の出来る家庭はない
水洗トイレやふかふかの絨毯、ソファーなど
憧れの住空間で食事を楽しませる
ファミリーレストランが全盛となってきた時代である。
例えば、すかいらーくであれば、全国どこに行っても
同じ店舗環境で、同じメニューで、同じ画一的な
定型サービスが受けられるという安心感があり
望まれた時代もあった。
「愛の欲求は、与える愛と受け入れる愛の両方を含む。」
われわれは、愛というのは一方的に与えるものだと思
いこんでいるのではないか。
母親の愛、子供を暖かく包み込んで抱きしめるような
つもりでお互いが認め合っている状態のことである。
従業員の立場で考えると従業員のやる気を高める
以前に安心・安全の欲求を満たしている店舗で
あるか?ということが大切である。
例えば、新人の受け入れの時にきちんとスタッフ全員
に紹介してあげているのか?ということである。
新人が入っても紹介もしないで黙々と作業をやらせて
いたのでは、つまらなくなってしまい直ぐに辞めて
しまう原因でもある。
また人間関係も出来ていないうちから、
厳しくマニュアル等を教えようとする
とついて行けず辞めてしまう。
パートさんが辞める原因の一つに、
店舗内での人間関係がギクシャクしているのに
拘わらず経営者から表彰されてしまった。
その場合に「なんであの人が評価されるの?
気に入らない」といって足を引っ張ることに
なってしまい。いたたまれなくなって
優秀な人材が辞めていってしまうことにも
なりかねない。
この失敗は、経営者が店の状況
(コミュニケーションがとれていない状態)を
理解せず第四段階の欲求を実行して
しまったからなのである。
冒頭にも述べてある様に五つの欲求は
順次進化していくのであって原則的に
飛び超えてはいけないのである。
サービスについても安心感があり
思いやりのある笑
顔(元来人間は知らない他人に対して恐怖心がある)
のサービスが求められる。
お客様も自分のお気に入りのお店に対して、
応援したいという要求があると思う。
お客様にも試食会やアンケート等を通じて双方向の
コミュニケーション等でお客様の欲求を
満たすことも考えていくと良いと思う。
経営者が良く勘違いしてしまうことが、
経営者から一方向的に従業員
のためにしてあげたいと言うことだけでは、
だめなのである。
相手が、われわれに与えたいと思っている
愛があることを見落としてはいけない。
従業員は、会社のために何かしたいと思っている。
それをきちんと受け止めることが大切である。
この欲求が有ることに気づかないでいると
「私達の意見は何も聞いてもらえない」
という様に思われてしまい辞めていってしまう。
経営者とすれば、こんなにも従業員さんの事を
思ってやってあげているのに何で辞めてしまうのか
が判らず悩んでしまう。
このことを解消するためには、定期的に
ミーティングを開き、従業員さんの意見を
聞き出す様にすることである。
ミーティングでの注意事項は、経営者の一方的な
方針発表にならない様に注意すること。
一人一人の従業員さんの意見を吸い上げること。
承認の欲求(自我欲求)
承認の欲求(自我欲求)は、自尊心(自己承認)と
他人や集団から承認(他者承認)されたいという
2つの欲求がある。
自尊心の欲求(自己承認欲求)は、自己の自己に対す
る評価の欲求で、自信・能力・熟練・有能・達成・自
立・自由などに対する欲求です。
他人や集団からの承認欲求(他者承認欲求)は、
自分が集団から存在価値を認めてもらい尊重されたい
という欲求で、名声・表彰・受容・注目・地位・評判
・理解などの欲求です。
職場での承認の欲求(自我欲求)
承認の欲求(自我欲求)は、人が会社や職場に求める
場合が非常に多く、働く人が一日の寝ている時間や食
事時間などの除く社会的な時間の大半が会社で行われ
ることを考えると当然なこととなります。
自尊心の欲求は、自分の担っている仕事に関して成果
を上げたい。そのことで自分に自信を持ちたい。自分
の裁量で自由に仕事がしたい。
会社としては、やり甲斐のある仕事、成果が見える仕
事、自信の持てる仕事、自由にできる仕事などの「働
く意義を感じられる仕事」を与える必要がある。
他人や集団からの承認欲求は、もっと大きな意味合い
持っています。職場での評価、承認、名誉と行った欲
求で、会社職場の中で人々が地位、役職などのこだわ
りを持ち、人事評価に神経質になるのは、他人や集団
からの承認欲求に関わるからです。
人事評価が自分の権力志向を持たせることもあって、
実際の金額の大小に関わらず敏感なのは、金額の大小
が「評価の高低」に繋がって、他人や集団からの承認
欲求に関連して来るために敏感に反応し、モティベー
ションにも影響するものと考えられます。
一所懸命頑張って業績を上げている従業員さんをきち
んと評価してあげることも大切である。
社長は全然評価してくくれないとうことで辞めてし
まう場合がある。
そこで、必要になってくるのが、経営理念や経営方針
を反映した人事評価制度である。
現代においての承認欲求の課題として、他者からの
承認欲求は満たされても、自己承認欲求を満たして
いない人が少なくないことである。
画一的な定型サービスでは満足しないい客様が増えて
きた。ワンランク上のサービスを求める様になってきた。
スタッフと一人ひとりのお客様との会話が大切であり、
お客様の承認欲求を満たすことが大切である。
人と人に繋がりを大切にする顧客管理が重要に
なってきている。
自己実現の欲求(自己完成欲求)
第4段階まで全ての欲求が満たされ、それでも人間は、
100%満足せず、なんとなく「自分の人生は、
これでよいのか」と思っている。
「自己実現の欲求は、なれる可能性のある最高の存在
になりたいという願望である」
「自己実現の欲求」というのは、
人が本来持っている潜在能力、
すなわち創造性を発揮してはじめて満足される。
但し、すべての人が自己実現を目指したいとは限らない。
安全が満たされ、愛に満たされ、他者から認められて、
評価されて満足する人も多くいるのも現実である。
昨今の日本の状況を考えると、多くの人がこの「創
造したいという欲求を持っているのに、
職場は依然として、第4段階の欲求を満たすだけの
環境である。
日本人の多くは、欲求の度合いが高い物になって、
「何かを創造な仕事をしたい」という欲求が強くなっ
てくる傾向にある。
職場での自己実現の欲求(自己完成欲求)
自己実現の欲求(自己完成欲求)とは、自分の能力を
発揮し、会社の目標やビジョン達成に貢献したい。そ
して、自分の夢を実現し、世の中の発展に貢献した
いなどの欲求です。
マズローの欲求五段階説は欠乏欲求と成長欲求(存在
欲求)に分けて考えることもできる。
欠乏欲求は、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承
認欲求であり、満たされなければ「不足している」と
感じてしまい、不満に感じる欲求です。
成長欲求(存在欲求)は、自分自身を高めて成長させ
ようとする欲求であり、不足を感じることはありませ
ん。
人間本来が持っている欲求を知って、各従業員一人一人の欲求が
今現在どの段階なのかを考えてその欲求を満たしてあげる事で
やる気が出てくるのである。