マズローの欲求五段階説には、その上の六段目「自己超越欲求」があった。
六、自己超越欲求
マズロー博士は晩年になって、五段階欲求の上に六段
目の欲求があると言いました。
それは「自己超越欲求」という欲求です。
私の考えとしては、自己超越欲求の前に「社会貢献欲
求」があり、その上に「自己超越欲求」があるのでは
ないかと思います。
①「社会貢献欲求」
相手の喜びや幸せに貢献する喜びです。
人のために、世の中のために、地域社会のために何か
貢献できないか?と思う欲求です。
職場での「社会貢献欲求」
職場での「社会貢献欲求」とは、目の前のお客様に心
を込めて、仕えさせていただき、お客様やまわりの人
を楽しい気持ちにさせる人の行動です。
2019年6月の天風会に入会した天風哲学を学んだ中に、中村天風が宇宙、自然の法則である最高の価値観は「真・善・美」で、心のあり方としては「誠と愛と調和」であることを学びました。
ここで言っている「愛」とは、あの人が好きだとか、嫌いだとかを抜きにした「無償の愛」を言っているのであり、「社会貢献欲求」に通じるものだと思います。
②「自己超越欲求」
やりたかった体験が出来た。そして、その体験を味わ
うことである。
人生においても、この世に生まれてきて、魂を磨く
ための修行に人間として生まれて来ている。
つまり、自分の生きる意義「何のために生きているのか」
に気づくことだと思います。
職場での「自己超越欲求」
職場での「自己超越欲求」とは、仕事は、体験をする
場であり、結果として自己を磨く場であります。
日本語が素晴らしいもので、
仕事の本来の意味を考えて行くと・・・
『仕事』とは、『事に仕える』こと目の前にある『事』
に対して、心を込めて『仕える』。
つまり『させていただく』という姿勢で臨むことが仕
事本来の意味である。
『働く』とは、『ハタ』つまり『自分のまわり』を『楽
にする』『楽しい気持にさせる』という人の動きが『働
く』という言葉の語源だと言われています。
『仕事』にしても、『働く』にしても、とちらも本来は
『お金を稼ぐ』とか『お金儲けをする』とかという概
念はまったく含まれていないのです。
仕事は、『目の前の事に心を込めて仕える』こと。
働くとは、『まわりを楽しい気持ちにさせる人の動き』
のこと。
あくまで『やらされている』という被害者意識ではな
く、自ら進んで『させていただく』という自発的意識
であることがポイントである。
仕事の本来の目的は、『味うこと・体験すること』に尽
きる。
『体験を味わうこと』=『自己超越』
私たちの本質は『体験を味わい心を磨き高めるために、
この世界に生まれてきた。』と考えられます。
その目的を達成するために、仕事ほとピッタリのもの
はない。仕事がなければこんなにさまざまな体験を効
率よく、味わうことはできない。
原因と結果の法則的に考えてみると・・・
真摯に自分の出来る事をして人に喜んでもらいたいと
思い、行動を続けて行くという原因があり、
結果として、「自己実現」が実現するということです。
つまり、「社会貢献欲求」「自己超越欲求」が原因であ
り、結果的に「自己実現欲求」が実現するということ
です。
最初から大金持ちになりたいとか、成功者になりたい
と思っても社会との繋がり、人との繋がりを抜きには
実現しないということです。
『自己実現』を超えて、『社会貢献』『自己超越』さら
に、『すべてはひとつ』というゴールにつながっている
と思う、あとは『目の前の仕事に心を込めて仕えさせ
ていただく』ということである。
時代が成熟してきて、以前のように『生活のため』『お
金のため』という分かりやすいモチベーションだけで、
働ける時代ではなくなつてきているのは事実です。
今こそ新しい時代にふさわしい『新しい仕事の意味、
目的』をそれぞれ真剣に問い直し、各自で見つけてい
く、そんな時代に入ってきていると言えると思う。